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CASKE2000


Tikal The Ancient Mayan City of Guatemala

Tikal

古代マヤの神都 ティカル (グアテマラ)

文&写真 ジョンフィリップ・スレ

Tikal


―熱帯雨林の緑が頭上を覆う中、それを見下ろすかのようにピラミッドがそびえ立つ。ジャングルの中では、ホエザルと色鮮やかな鳥達が木々の上を行き交う姿が見える―
ツアーパンフレットにありがちな少々大袈裟な宣伝文句のようだが、実際ガイドブックにはこう書かれてある。
僕は大抵、世界的に有名な場所を訪れる際、「期待外れになりませんように・・・。」と内心祈ることが多い。しかし、グアテマラのジャングルで1848年に再発見されたこの古代神都ティカルは、期待を裏切らなかった。今日ティカルは、ホンジュラスのコパンとメキシコのパレンケと並び、古代マヤの主要三遺跡の一つに数えられている。

マヤの人々は、紀元前700年頃この地域に定住したとみられる。おそらく、この地にナイフや矢尻等に使う固い石が豊富だったからだといわれている。紀元前200年には、ティカルの北側アクロポリスに複合建築物がすでに造られてあった。
西暦250年頃、ティカルは宗教や商業において重要な街となっていった。そして300年代になるとYax Moch Xoc王( 別名、Jaguar Paw大王) が王朝を開き、500年代中期で人口が10万人にも膨れあがったと信じられている。今日、その彼がティカルの創始者だと言われている。
歴代の王で彼の次に強力な力を持っていたのは、 Double Moon王 (682-734) 別名、カカオ王だった。彼は、近隣の勢力に押されて失われていたティカルのパワーを復活させ、第ニ神殿を含む新しい建物を建設した。彼は、自分が設計し息子が引き継いで建てた神殿の下に埋葬されているそうだ。

第一、第二神殿、北側アクロポリス、神殿倉庫で構成されるグレートプラザは現在、ティカルの観光名所となっている。本の表紙や観光パンフレット等でよく見られる第一神殿は、ここで最も高い塔で、第二神殿の頂上から夕方眺める姿が一番美しい。
そして森林公園(熱帯雨林)の散策は、歴史を感じること以上のものがある。神殿等の建築物もたしかに素晴らしい。しかし何と言っても、周囲の環境がこのたぐい希な公園を造り出している。樹齢約100年の古い大木が密集する熱帯雨林によって、全ての遺跡群が隔てられている。もしここにマヤの遺跡がなかったとしても、この森だけを訪れる価値は、十分にある。少なくともここにいる熱帯の鳥達を見れば、そう思うにちがいない。たったの一日で、僕はこれほど多い種類の鳥を見たことは今までになかった。
名前の知らない鳥ばかりの中で、オオハシやオオインコ、ハゲタカ、色鮮やかな七面鳥の仲間等は見分けられた。数匹のクモザルが高い木の枝から枝へ飛び移り、遠くからはホエザルの声が響いている。森で見る木々は、上からの眺め同様に壮大だ。まるで神殿の上から伸びてきたような枝葉が、貴重な日陰も提供してくれる。また、その緑の色合いは、濃いアースカラーの石で造られた神殿を一層引き立たてている。

僕のお気に入りは、 Mundo Perdido (失われた世界)いうピラミッドの上から見る眺めだ。一帯を埋める熱帯雨林の緑に、第一神殿から第四神殿までの塔が突き出ている眺めは息を呑むほどで、正に登った甲斐があるというものだ。ここがまるで隔離された場所に見え、永遠に守られていくような気がする。
ここへ来て驚いたのは、予想外に観光客が少なかったことだ。世界的に有名で壮観たる遺跡の場所でさえ、まばらにしか人の姿を見なかった。僕は昼間の人込みを避けるべく、開園時間の6時からここに来ていた。しかし、数人の観光客と学校のグループが午前10時あたりからお昼までいたくらいで、その後はすっかり人気がなくなった。大抵の人は、昼間のものすごい暑さの中で寺院に登るより、ホテルに戻るかレストランの扇風機の風に当たって休む方を選ぶのだろう。

夕方近くになって、唯一の訪問者だったホエザルがいなくなった。ライオンの大群かと思わせる程のすごい鳴声も、もう聞こえない。
ティカルは、「もっと時間があったら・・・」と、願いたくなるような場所だ。少なくとも僕達にはそうだった。アート、人類学、建築、歴史、エコロジー、バードウォッチング、美しい熱帯林でのんびりと過ごす等、いかなる目的でも、ここなら飽きることはないだろう。
記憶から消せないティカルの魅力を発見するのに、時間はかからないはずだ。

ティカルへのアクセス:
グアテマラ国内からなら、フローレス( Flores) まで飛行機で行き、フローレスから出ているツアーに参加する。ツアー会社も多く、ガイド付きツアーから送迎(足)のみ等選択できる。ベリーズから陸路で行く方法もある。最低でも一日はティカルで過ごして欲しい。全て見るのであれば、2日間は要るだろう。

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オリジナルテキスト:Tikal, the Ancient Mayan City of Guatemala (April1999)

日本語訳:西山 晴美        更新日:2000年9月

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