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 Coconut Tree
Climbing Technique

やしの木登りのテクニック

写真と文:ジョンフィリップ・スレ


熱帯地方で一番重要なフルーツは、きっとココナッツだろう。実の中のジュースは渇きを癒すだけではなく、カリウムや他のミネラル分を豊富に含んでいる。まだ熟していないココナッツの中にはたくさんのジュース、そしてまるでヨーグルトゼリーみたいに柔らかくて美味しい胚乳(白い部分)がある。熟したものは固くなっていて、少しだけ食べるのもいいし、色々な料理に入れても最高だ。
(ルークのアウトドアクッキングのページを見て欲しい! アイディアがいっぱいだ。)
アウトドアクッキングのページ

栄養面に加えて、ココナッツは医薬的な特性も備えている。熟していない実のジュースは、心臓・肝臓・腎臓疾患そして淋病にも良いと言われている。 また、脱水症状を避けるためにココナッツジュースにライムや、ライムと粉ミルクを混ぜるのが効果的だ。

しかし、問題はどうやってそれらのまだ熟していないココナッツを手に入れるかだ。ビーチに落ちているココナッツはすでに熟していて、中の固い胚乳はココナッツミルクやオイルになるかもしれないが肝心のジュースはほとんどない。そうなれば、もう木に登って取る以外に方法はないだろう。(代わりに登ってくれる人を見つけるのなら話しは別だ。地元の人々は子供の頃からやしの木に登っているから、見つけられるはず。)

自給自足を目指す私達は、やしの木登りのテクニックをマスターするために必死になって登り続けた。初めの何度かは、1〜2mを登るのがやっとだった。怖さに加えて、私達の手のひらと足の裏の柔らかい皮膚は、やしの木登りに向いていなかった。初めてやしの木から下りた時には、胸と腕の内側を擦りむいてしまった。やしの木をしっかり抱きしめながらズルズル下りれば、こうなるのも無理はない。
しかし、本当に登りたい、登る必要があるのなら、こんなことであきらめてはいけない。やしの木登りには基本的なテクニック、それも簡単に出来るものが2つある。自分の皮膚が柔らかいことなんかを忘れて、練習すればいいだけだ。初めのうちはすり傷が絶えないだろうが、ジュースいっぱいの美味しいココナッツを十数個も取れれば、「努力の甲斐があった・・・。」と思うだろう。
このページでは、その2つのテクニックと、バリエーションを紹介している。そして、小さい写真かリンクのはってあるキーワードをクリックすれば、私達が実際に登っている写真を見ることが出来る。


How to climb a coconut tree

やしの木の登り方

やしの木に登るなら、もちろん素手、裸足の方がいい。また、長袖のTシャツは擦り傷防止に役立つだろう。

The front-foot technique
フロントフット テクニック

やしの木をしっかり手で抱えるようにし、幹の後ろ側で両手はなるべく近い位置に置く。
足を持ち上げて、足の裏を自分の正面の幹に押し付ける。常に足の裏の親指の下あたりを幹に押し付けながら、幹を抱えていると手と、足とを交互に動かし、歩くように登っていく。
これは、ルークが好きなテクニックだ。私は、ちょっと傾いた幅の広いやしの木を登り始める時くらいにしか使っていない。
ルークの写真をチェックして欲しい。この登り方が良く分かるだろう

The Frog Technique
フロッグ テクニック

幹が太過ぎなければ、真っ直ぐにのびたやしの木を登る場合にこの方法がより効果的だと思う。足を広げて膝をしっかり曲げ、両足の裏で幹の両サイドを押えるようにする。その格好は、カエルの足によく似ている。(だから、フロッグ”カエル”テクニックと名づけた。)

フロントフットテクニックと違い、片方の手は幹の後ろ側の上の方に置く。もう片方は前側の幹に、胸の高さに置く。こんな風に両手で幹の前後に力をかけ自分の体を支え、両足(膝)の屈伸を繰り返しながら上に登っていく。両足を同時に素早く引き上げ、カエルの格好に戻って足の裏でやしの木をしっかり押える。この格好だと、再度上に進む前に、数秒間休むことが出来る。

フロッグテクニックバリエーション

フロッグテクニックにはバリエーションがあって、それを試してみたことがある。テクニックは同じだが、違う点は輪になっているロープや布に両足(足首から下)を入れることだ。足の力で木に圧力をかけ続けるのにいい。ロープや布の表面で幹に接触する面積が大きくなり、力が加えられる部分が広がるため上に行きやすくなる。すごくいいテクニックだ。
両足を一緒に動かさなければならないから、フロッグテクニックの動きが出来ればより簡単になるだろう。

その他

  スパイクを使う方法もある。昔の電話技術者が使っていたように、スパイクをやしの木登りにも利用出来るだろう。問題は、登るその時に、スパイクを持っていなければならないことだ。始終、それを持ち歩くわけにはいかないだろう。必要な時に持っていないことだってありうるから、他のテクニックを練習しておいた方がいい。


On Top of the Tree

やしの木の上まで登ることが出来たら・・・

  • 体を支えるため、フロッグポジションでやしの木を両足で押え、幹の後ろ側にまわしている手は離さない。もう片方の手でココナッツを掴み、取れるまでひねる。
  • それか、やしの葉を掴む。ただし、一番下から生えている葉は掴まない。すぐに折れてしまうからだ。2,3上の層の葉を掴み、フロッグポジションを保ったまま、空いた手でココナッツを掴んでひねる。
  • ガリフナ族の友人が”一番良い方法は、やしの葉をくぐりぬけ、てっぺんまで登ってやしの葉の上に立つことだ”と、教えてくれた。(ここでも注意しなければならないことは、そのやしの木に葉が何層かすでに生えていることだ。)てっぺんからは、ココナッツを簡単に掴める。ひねってとっても良いが、大きいナタがあればいっきに切り落とすことが出来る。登る時にナタにつないだひもをどこか体に縛り付け、てっ辺に着いてからそのひもを引っ張ればいいだけだ。(なたをどこかに差し込んで登るのは危険だ。)

Going Down

やしの木から下りる

  フロントフットテクニックをマスターすれば、その方法でもおりられるらしいが、フロントフットでやしの木から下りている人は見たことが無い。
  どうやらおり方のテクニックは1つしかないようだ。このテクニックはフロッグテクニックとよく似ている。足の位置は同じ、フロッグポジション。登ってきたのと反対に、跳ねながら一歩づつ下がっていけば良いだけだ。しかしほとんどの人は、両手を幹の後ろ側で交互に下へ動かし、足の裏でやしの木を挟んだまま滑りおりてくる。もちろん素足だ。
  私達の皮膚が柔らか過ぎると、前に書いたわけがわかってもらえただろうか。地元の人達にはまったく問題ないことでも、私達がすると、木の表面で足の裏や手のひらを切ってしまうのだ。はやく地元民のような強靭な皮膚になることを期待しているのだが・・・。腕や、時々胸も、木から滑りおりる時に擦りむいてしまう。

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  1週間後、私達は初めてやしの木登りに成功した。登りおりともに、かなり上達したといっていいだろう。
  ひどく大変なことの様に思えるかもしれないが、美味しいココナッツのためなら、少々の擦り傷と努力は無駄にはならないだろう。もし、熱帯地方で長期滞在することがあれば、これはマスターしておくべきテクニックの1つ――だと思うのだが?ぜひ、挑戦してみて欲しい。

(ただし、やしの木登りには、落ちて怪我をする危険性が必ずあるし、体力も少しは必要だから、すべての人がテクニックをマスターしてやしの木を登ることができるとは言えない。出来ない時は、潔くあきらめよう!)

  楽しく登って、
自分で取ったココナッツを味わおう!


訳:西山 晴美  

英語オリジナル・テキスト: Coconut tree Climbing Technique

更新日:1999年4月

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