ベルをならしながら歌う

スピィリチュアル・ダンス

Sikeirei, the Mentawai Medicine Man

メンタワイのメディシンマン

写真と文   ジョンフィリップ・スレ 1997


”SIKEIREI”は、メンタワイでメディシンマン、シャーマンにあたる。いつも自然と調和し一体となる彼らは、呪文の歌やチャントを通してスピッリトと対話をしている。踊りは、儀式の最中スピリットの世界へ入るための”乗り物”のような役目をする。竹、ヘビ皮の太鼓、ベルの音が作り出すリズムにのり、つるされた猿や雄ブタの頭蓋骨の下で SIKEIREI 達は踊り、スピリットの世界へと入っていく。


・・・ある日、僕は大きな村に着いた。男は皆、全身に入れ墨を施し、木の幹で作られた腰みのを着け、女達は上半身裸で赤い布のスカートを腰に巻いているだけだ。男も女もその長い髪にハイビスカスなどの花をあしらっている。違う世界に足を踏み入れたはずなのに、なぜか違和感を感じない。反対に時間が経つにつれ、自分がここの人間のような気がしてくる。
夜になり、どこからか鈴の音と低い歌声が響いてきた。聞き流せないような魅力があった。この儀式に参加できるか尋ねると、人々は笑顔とAleuita(メンタワイ語で”ようこそ””こんにちは”の意)で迎え入れてくれた。

30分程経った頃、マチウスという若者が話し掛けてきた。彼は森の奥深くに住み、僕が来るのを待つために2日前にこの村に来たと言う。何のことだかさっぱりわからず聞き返すと、彼は6ヶ月前に僕の到着が見えたのだと答えた。そしてなぜ僕がシベルト島にいるのかや、僕が彼の家族と一緒に生活するようになることを、すでに知っていると続けた。驚きで言葉が出なかった。うなずいただけで、どういうことなのかは全然理解できなかった。儀式の歌声と鈴の音が体を包んでいくような、夢でも見ているような気がした。彼、マチウスはSIKEIREIのひとりだった。

(メンタワイとの出会い より)

ナテュラルメディシン

長老のsikeirei(メンタワイのシャーマン)はメンタワイの森にあるすべての植物を知っている。彼は毎日違う植物を混ぜ合わせ、悪いスピリットを追い払うための香水から、日常起こる様々な疾患の治療に使う薬までを作っている。メンタワイの人々と生活する中で、何度となく僕は彼らの伝統的なメディシンのお世話になった。そして、その効果と彼らの知識には驚かされっぱなしだった。

残念ながらインドネシア語−メンタワイ語の辞書はない。これがあればどんなに役立っていたことかと、いつも思っていた。
先住民の持つ知恵と秘密を僕達の生活の中でいかせるのにと。

メンタワイメディシン より)

ニワトリの胃を読む

メンタワイでは、命ある全ての物が何らかの重要な役割を与えられる。儀式の中で動物達を殺すのも、その肉に感謝し、人々を守ると言われている魂(スピリット)を自由に解き放つために行われる。
・・・彼らはその胃から吉兆か凶兆かを占い、幸福または恐怖をもたらすかを判断する。もし、一羽目の鶏が凶と出れば、その確認のため二羽目が殺される。

占いとメンタワイ より)

普通僕達が考える医者とは違い、SIKEIREI はグループで仕事をする。もちろん全員、メディシンの知識が豊富だ。しかし、悪いスピッリトを追い出すためや患者を治すためにはチームとなって力を合わせた方がより強力だ。彼らは儀式で豚やイノシシの伝統料理を皆で分けあいながら食べる。

訳:西山 晴美   

更新日 : 2000年 4月 12日

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